
許嫁物語(仮)第二話…幼なじみの恋は終わる
産まれた時から隣に住んでいた、いわゆる幼馴染みって奴だ
毎日一緒に登校して一緒に笑って泣いて怒って…時々周りから夫婦とか言われてからかわれて…
私はそんな毎日がずっと続くと思っていた…彼の一番近い場所に安心して踏み出す事をしなかった
「幼なじみラリアットォォォォォォーッ!」
「ふぎゃーっ!」
遅刻寸前に教室に飛び込んできた水無月沙奈(みなづき・さな)は伽夜の延髄目がけて腕を叩きつけた
「勝手に一人で先に来てるとは、どういう事だーっ!」
沙奈は怒りの声を上げる
水無月沙奈…伽夜一家が昔から住むボロアパートの大家の孫娘で幼なじみ
大家の家とアパートは同じ敷地内に立っており、アパートの住人に同世代の子供がいなかった事もあって幼い頃から伽夜、涼華、沙奈の3人は一緒に遊ぶ事が多かった
特に伽夜と沙奈は同じ年齢という事もあり小学校、中学校は当然同じ、何故かクラスも毎回同じ、高校に進学したら高校も同じでクラスも同じ、ついでに現在の席順は隣同士という神様に選ばれたかのような腐れ縁だ
ショートカットに大きな瞳、169センチという背の高さと中性的な美貌、そして真っ平らな胸で男子と見ま違う人も多く、性別を知られていてすら女子からの人気がやたら高い
中学時代は後輩から毎日のようにラブレターが届き、バレンタインにはチョコの山、そんな可愛いというより格好いい女の子
身長172センチの伽夜と並ぶとほとんど身長差は無く沙奈の迫力に伽夜はジリジリと後退する
「迎えに行ったのに勝手に先行ってるとか酷いよね!一緒に登校する約束破るんじゃねーよ!」
沙奈とは毎日一緒に登校していたが…
「別に約束はしてないだろ!」
「しましたー!小1の時に毎日一緒に登校するって約束しましたー!」
「小1の時の約束なんて無効だろ!」
「はぁ?約束に時効なんてあるわけないでしょが!」
周りから
また夫婦喧嘩かよ
毎日飽きないわね
お前ら、いつ結婚すんの?
水無月の勝利に100ペリカ賭ける!
斎加くーん素直に謝ったらー全裸土下座でー
など好き勝手なヤジが飛ぶ
「それに昨夜何時に帰ってきたのよ!まさか朝帰り?小父さんと小母さんが忙しいからって夜遊び?涼華ちゃんが泣くわよ!」
「引っ越したんだよ!」
「えっ?どういう事?引っ越した?私聞いていないんだけど?えっ?えっ?えっ?」
頭の上に巨大なはてなマークを出す沙奈がさらに問い詰める前に碧坂高校1年2組担任東条先生が教室に来た
全員素早く席に付き日直の号令の元、朝の挨拶
右隣の席の沙奈が「後で詳しく説明しろよ」と小声で言っている
「今日は転入生を紹介する、二人とも入ってこい」
一人の女子生徒が教室に入ってくると主に男子から歓声が沸いた
ウェーブのかかった柔らかそうな茶髪の美少女がにこやかに手をふる他の女子と同じ制服姿なのにモデルか何かのように決まっていた
そして…もう一人…さらに大きな歓声が爆発した
濡れたような艶やかな黒髪の美少女が歓声に驚きつつ入ってきた、夏なのに長袖のインナーの上から制服を着ている、両足も長いニーソックスで覆われ両手には手袋、素肌が出ている場所は顔のみだ
霧宮紅桃と霧宮純白
二人の美少女の登場に教室中がざわめく
伽夜の前後に座る友人、茂部信一郎と垣割景が「お前どっちが好み?」「伽夜だと黒髪の方だろ」なんて言ってくる
女子は女子で「うわっ凄い綺麗な髪」と金髪ツインテールこと五条河原アリスが呟き、「転入生二人なんて珍しいわね」と眠そうな顔をした倉科紀子が口にする
沙奈も「凄い美人よね、アイドルみたい…」と伽夜に向かって呟き…気づいた…
(あの茶髪ウェーブの手を振ってる相手って伽夜?)
いやまさか…と思いつつ…もう一人の視線にも気づいく…
(黒髪の子も伽夜を見てる?)
伽夜の交友関係はだいたい把握しているが、あんな美少女二人と知り合いなんて初耳だし、気のせいだろうと自分に言い聞かせる
だが嫌な予感が止まらない、心臓が早鐘みたいにドキドキと音をたてる
「じゃあ二人とも自己紹介してもらおう」
紅桃が肘で純白をつつく、先にやれとのジェスチャーだ
純白は短く
「霧宮純白です、よろしくお願いします」とだけ
そして紅桃の番
あっ…ヤバい…伽夜だけが気づく…あの口が耳まで裂けたかと錯覚させる独特の笑い方…絶対何か企んでいる
「霧宮紅桃です、純白ちゃんとは従姉妹同士で、現在彼氏募集中でーす」
男子から歓声が上がる
俺とかどうですか?
携帯の番号教えて下さい!
なんて声が上がる
そして紅桃の次の台詞が教室中の度肝を抜いた
「私は彼氏募集中ですが、純白ちゃんは許嫁がいるので口説かないで下さいねー、男子が話しかける場合は私か許嫁を通して下さーい」
えー許嫁いるのー?
霧宮って、あの霧宮だろ?お嬢様は違うって事かね?
あの美少女と結婚とか羨ましすぎる!
沙奈も「高校生で許嫁かぁ…」と呟き、伽夜に向かって「私は自由に恋愛できる方が良いけど…」と言って伽夜の様子に気づく
ガタガタと小さく震えている
そして紅桃がペロリと紅い唇を一度舐め…さらに続けた
「ねっ!純白ちゃんの許嫁の斎加伽夜君!」
男子の視線が殺意に満ちた
お前かよ!
なんでお前みたいな奴が純白さんみたいな美少女と!
リア充爆発しろ!
ちんこモゲちまえ!
酷い私との事は遊びだったのね!
羨ましすぎる−!
もうキスくらいしたのか?
オッパイくらい揉んだのか?
いつから付き合ってるんだよ!
お腹の子はどうするのよ!
ちなみに全て男子からの声である、伽夜に同性愛の趣味はないし男が妊娠するはずもない
伽夜への怨嗟の声の満ちる中…沙奈は呆然としていた
許嫁?結婚相手?あんな綺麗な子と?
水無月沙奈は斎加伽夜に恋していた
ずっとずっと昔から物心ついた時から…その恋が…音を立てて崩れ落ちた…
毎日一緒に登校して一緒に笑って泣いて怒って…時々周りから夫婦とか言われてからかわれて…
私はそんな毎日がずっと続くと思っていた…彼の一番近い場所に安心して踏み出す事をしなかった
「幼なじみラリアットォォォォォォーッ!」
「ふぎゃーっ!」
遅刻寸前に教室に飛び込んできた水無月沙奈(みなづき・さな)は伽夜の延髄目がけて腕を叩きつけた
「勝手に一人で先に来てるとは、どういう事だーっ!」
沙奈は怒りの声を上げる
水無月沙奈…伽夜一家が昔から住むボロアパートの大家の孫娘で幼なじみ
大家の家とアパートは同じ敷地内に立っており、アパートの住人に同世代の子供がいなかった事もあって幼い頃から伽夜、涼華、沙奈の3人は一緒に遊ぶ事が多かった
特に伽夜と沙奈は同じ年齢という事もあり小学校、中学校は当然同じ、何故かクラスも毎回同じ、高校に進学したら高校も同じでクラスも同じ、ついでに現在の席順は隣同士という神様に選ばれたかのような腐れ縁だ
ショートカットに大きな瞳、169センチという背の高さと中性的な美貌、そして真っ平らな胸で男子と見ま違う人も多く、性別を知られていてすら女子からの人気がやたら高い
中学時代は後輩から毎日のようにラブレターが届き、バレンタインにはチョコの山、そんな可愛いというより格好いい女の子
身長172センチの伽夜と並ぶとほとんど身長差は無く沙奈の迫力に伽夜はジリジリと後退する
「迎えに行ったのに勝手に先行ってるとか酷いよね!一緒に登校する約束破るんじゃねーよ!」
沙奈とは毎日一緒に登校していたが…
「別に約束はしてないだろ!」
「しましたー!小1の時に毎日一緒に登校するって約束しましたー!」
「小1の時の約束なんて無効だろ!」
「はぁ?約束に時効なんてあるわけないでしょが!」
周りから
また夫婦喧嘩かよ
毎日飽きないわね
お前ら、いつ結婚すんの?
水無月の勝利に100ペリカ賭ける!
斎加くーん素直に謝ったらー全裸土下座でー
など好き勝手なヤジが飛ぶ
「それに昨夜何時に帰ってきたのよ!まさか朝帰り?小父さんと小母さんが忙しいからって夜遊び?涼華ちゃんが泣くわよ!」
「引っ越したんだよ!」
「えっ?どういう事?引っ越した?私聞いていないんだけど?えっ?えっ?えっ?」
頭の上に巨大なはてなマークを出す沙奈がさらに問い詰める前に碧坂高校1年2組担任東条先生が教室に来た
全員素早く席に付き日直の号令の元、朝の挨拶
右隣の席の沙奈が「後で詳しく説明しろよ」と小声で言っている
「今日は転入生を紹介する、二人とも入ってこい」
一人の女子生徒が教室に入ってくると主に男子から歓声が沸いた
ウェーブのかかった柔らかそうな茶髪の美少女がにこやかに手をふる他の女子と同じ制服姿なのにモデルか何かのように決まっていた
そして…もう一人…さらに大きな歓声が爆発した
濡れたような艶やかな黒髪の美少女が歓声に驚きつつ入ってきた、夏なのに長袖のインナーの上から制服を着ている、両足も長いニーソックスで覆われ両手には手袋、素肌が出ている場所は顔のみだ
霧宮紅桃と霧宮純白
二人の美少女の登場に教室中がざわめく
伽夜の前後に座る友人、茂部信一郎と垣割景が「お前どっちが好み?」「伽夜だと黒髪の方だろ」なんて言ってくる
女子は女子で「うわっ凄い綺麗な髪」と金髪ツインテールこと五条河原アリスが呟き、「転入生二人なんて珍しいわね」と眠そうな顔をした倉科紀子が口にする
沙奈も「凄い美人よね、アイドルみたい…」と伽夜に向かって呟き…気づいた…
(あの茶髪ウェーブの手を振ってる相手って伽夜?)
いやまさか…と思いつつ…もう一人の視線にも気づいく…
(黒髪の子も伽夜を見てる?)
伽夜の交友関係はだいたい把握しているが、あんな美少女二人と知り合いなんて初耳だし、気のせいだろうと自分に言い聞かせる
だが嫌な予感が止まらない、心臓が早鐘みたいにドキドキと音をたてる
「じゃあ二人とも自己紹介してもらおう」
紅桃が肘で純白をつつく、先にやれとのジェスチャーだ
純白は短く
「霧宮純白です、よろしくお願いします」とだけ
そして紅桃の番
あっ…ヤバい…伽夜だけが気づく…あの口が耳まで裂けたかと錯覚させる独特の笑い方…絶対何か企んでいる
「霧宮紅桃です、純白ちゃんとは従姉妹同士で、現在彼氏募集中でーす」
男子から歓声が上がる
俺とかどうですか?
携帯の番号教えて下さい!
なんて声が上がる
そして紅桃の次の台詞が教室中の度肝を抜いた
「私は彼氏募集中ですが、純白ちゃんは許嫁がいるので口説かないで下さいねー、男子が話しかける場合は私か許嫁を通して下さーい」
えー許嫁いるのー?
霧宮って、あの霧宮だろ?お嬢様は違うって事かね?
あの美少女と結婚とか羨ましすぎる!
沙奈も「高校生で許嫁かぁ…」と呟き、伽夜に向かって「私は自由に恋愛できる方が良いけど…」と言って伽夜の様子に気づく
ガタガタと小さく震えている
そして紅桃がペロリと紅い唇を一度舐め…さらに続けた
「ねっ!純白ちゃんの許嫁の斎加伽夜君!」
男子の視線が殺意に満ちた
お前かよ!
なんでお前みたいな奴が純白さんみたいな美少女と!
リア充爆発しろ!
ちんこモゲちまえ!
酷い私との事は遊びだったのね!
羨ましすぎる−!
もうキスくらいしたのか?
オッパイくらい揉んだのか?
いつから付き合ってるんだよ!
お腹の子はどうするのよ!
ちなみに全て男子からの声である、伽夜に同性愛の趣味はないし男が妊娠するはずもない
伽夜への怨嗟の声の満ちる中…沙奈は呆然としていた
許嫁?結婚相手?あんな綺麗な子と?
水無月沙奈は斎加伽夜に恋していた
ずっとずっと昔から物心ついた時から…その恋が…音を立てて崩れ落ちた…
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basketball3552394
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2017年10月08日
08:21
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